知的障害による障害年金はいくら?申請方法や等級も詳しく解説

 

知的障害で仕事や生活に困難がある方にとって、障害年金は家計を支えてくれる重要なものです。

 

今回は障害年金について、貰える金額や等級の判定基準などの内容をまとめました。

障害年金を受給している方、またはこれから申請を考えている方は是非目を通してみてください。

 

 

受給資格者は?

 

20歳になったら受給できます

 

障害年金には障害基礎年金と、障害厚生年金という2種類があります。

 

障害基礎年金の受給要件

障害基礎年金は受給要件の1〜3の全てに該当する方が受給できます。

、障害の原因となった病気やケガの初診日が次のいずれかの間にあること。

・国民年金加入期間
20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間(老齢基礎年金を繰り上げて受給している方を除きます。)

、障害の状態が、障害認定日または20歳に達した時に障害等級の1級または2級に該当していること。

保険料の納付要件を満たしていること。20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。

 

知的障害は子供の頃に診断されるものなので、受給要件の1と3は満たしています。

あとは2に該当すれば良いのでつまり、

知的障害がある方は20歳になった時点で障害等級の1級または2級に該当する場合、障害基礎年金を受給することができます。

 

 

障害厚生年金

障害厚生年金は、サラリーマンや公務員の方で厚生年金に加入している間に初診日のある病気やケガで、障害の状態になったとき支給される年金です。

ですから、子供の頃に診断される知的障害の方には障害厚生年金はあまり関係がありません。

 

障害年金の受給資格については他の記事でより詳しくまとめておりますので、そちらの記事もあわせてご覧ください。▼

障害年金の受給資格とは?年齢などの条件と等級の基準を解説

2019.09.04

 

 

所得制限があるので要注意

 

知的障害で障害基礎年金を受給している方には、所得制限が設けられています。

これは、20歳前に初診日がある方が障害年金を受給する場合、一度も保険料の支払いをしないまま受給することになるので、その他の方との公平性を保つ為です。

ですから、知的障害に関わらず20歳前の傷病により障害基礎年金を受給している方には所得制限があります。

 

年間所得が360万4千円を超えると → 半額支給停止

年間所得が462万1千円を超えると → 全額支給停止

※一人世帯の場合(扶養親族なし)

 

なお、扶養親族がいる場合、所得制限額は加算されますので確認が必要です。

 

障害年金の所得制限については他の記事でより詳しくまとめておりますので、そちらの記事もあわせてご覧ください。▼

障害年金の所得制限とは?具体例を挙げてわかりやすく解説します

2019.09.11

 

 

障害等級の認定基準は?

 

認定基準の基本

 

障害の程度 障害の状態
1級 知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
2級 知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの

 

 

診断書による判定基準

 

医師による診断書では「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」という項目があり、それによって障害等級がある程度判断されます。

 

日常生活能力の判定

1、適切な食事

できる 栄養のバランスを考え適当量の食事を適時にとることができる。(外食、自 炊、家族・施設からの提供を問わない)
自発的にできるが時には助言や指導を必要とする だいたいは自主的に適当量の食事を栄養のバランスを考え適時にとること ができるが、時に食事内容が貧しかったり不規則になったりするため、家族 や施設からの提供、助言や指導を必要とする場合がある。
自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる 1人では、いつも同じものばかりを食べたり、食事内容が極端に貧しかったり、いつも過食になったり、不規則になったりするため、経常的な助言や指 導を必要とする。
助言や指導をしてもできない若しくは行わない 常に食事へ目を配っておかないと不食、偏食、過食などにより健康を害する ほどに適切でない食行動になるため、常時の援助が必要である。

 

2、身辺の清潔保持

できる 洗面、整髪、ひげ剃り、入浴、着替え等の身体の清潔を保つことが自主的に問題なく行える。必要に応じて(週に1回くらいは)、自主的に掃除や片付けができる。また、TPO(時間、場所、状況)に合った服装ができる。
自発的にできるが時には助言や指導を必要とする 身体の清潔を保つことが、ある程度自主的に行える。回数は少ないが、だいたいは自室の清掃や片付けが自主的に行える。身体の清潔を保つためには、 週1回程度の助言や指導を必要とする。
自発的かつ適正に行うことは できないが助言や指導があれ ばできる 身体の清潔を保つためには、経常的な助言や指導を必要とする。自室の清掃 や片付けを自主的にはせず、いつも部屋が乱雑になるため、経常的な助言や 指導を必要とする。
助言や指導をしてもできない若しくは行わない 常時支援をしても身体の清潔を保つことができなかったり、自室の清掃や片付けをしないか、できない。

 

3、金銭管理と買い物

できる 金銭を独力で適切に管理し、1ヵ月程度のやりくりが自分でできる。また、1人で自主的に計画的な買い物ができる。
おおむねできるが時には助言 や指導を必要とする 1週間程度のやりくりはだいたい自分でできるが、時に収入を超える出費をしてしまうため、時として助言や指導を必要とする。
助言や指導があればできる 1人では金銭の管理が難しいため、3~4日に一度手渡して買い物に付き合うなど、経常的な援助を必要とする。
助言や指導をしてもできない若しくは行わない 持っているお金をすぐに使ってしまうなど、金銭の管理が自分ではできな い、あるいは行おうとしない。

 

4、通院と服薬

できる 通院や服薬の必要性を理解し、自発的かつ規則的に通院・服薬ができる。また、病状や副作用について、主治医に伝えることができる。
おおむねできるが時には助言 や指導を必要とする 自発的な通院・服薬はできるものの、時に病院に行かなかったり、薬の飲み忘れがある(週に2回以上)ので、助言や指導を必要とする。
助言や指導があればできる 飲み忘れや、飲み方の間違い、拒薬、大量服薬をすることがしばしばあるため、経常的な援助を必要とする。
助言や指導をしてもできない若しくは行わない 常時の援助をしても通院・服薬をしないか、できない。

 

5、他人との意思伝達及び対人関係

できる 近所、仕事場等で、挨拶など最低限の人づきあいが自主的に問題なくできる。 必要に応じて、誰に対しても自分から話せる。友人を自分からつくり、継続して付き合うことができる。
おおむねできるが時には 助言や指導を必要とする 最低限の人づきあいはできるものの、コミュニケーションが挨拶や事務的なこ とにとどまりがちで、友人を自分からつくり、継続して付き合うには、時として助言や指導を必要とする。あるいは、他者の行動に合わせられず、助言がな ければ、周囲に配慮を欠いた行動をとることがある。
助言や指導があればできる 他者とのコミュニケーションがほとんどできず、近所や集団から孤立しがちで ある。友人を自分からつくり、継続して付き合うことができず、あるいは周囲 への配慮を欠いた行動がたびたびあるため、助言や指導を必要とする。
助言や指導をしてもでき ない若しくは行わない 助言や指導をしても他者とコミュニケーションができないか、あるいはしよう としない。また、隣近所・集団との付き合い・他者との協調性がみられず、友 人等とのつきあいがほとんどなく、孤立している。

 

6、身辺の安全保持及び危機対応

できる 道具や乗り物などの危険性を理解・認識しており、事故等がないよう適切な使い方・利用ができる(例えば、刃物を自分や他人に危険がないように使用する、 走っている車の前に飛び出さない、など)。また、通常と異なる事態となった時(例えば火事や地震など)に他人に援助を求めたり指導に従って行動するな ど、適正に対応することができる。
おおむねできるが時には 助言や指導を必要とする 道具や乗り物などの危険性を理解・認識しているが、時々適切な使い方・利用 ができないことがある(例えば、ガスコンロの火を消し忘れる、使用した刃物 を片付けるなどの配慮や行動を忘れる)。また、通常と異なる事態となった時 に、他人に援助を求めたり指示に従って行動できない時がある。
助言や指導があればできる 道具や乗り物などの危険性を十分に理解・認識できておらず、それらの使用・ 利用において、危険に注意を払うことができなかったり、頻回に忘れてしまう。 また、通常と異なる事態となった時に、パニックになり、他人に援助を求めた り、指示に従って行動するなど、適正に対応することができないことが多い。
助言や指導をしてもでき ない若しくは行わない 道具や乗り物などの危険性を理解・認識しておらず、周囲の助言や指導があっ ても、適切な使い方・利用ができない、あるいはしようとしない。また、通常 と異なる事態となった時に、他人に援助を求めたり、指示に従って行動するな ど、適正に対応することができない。

 

7、社会性

できる 社会生活に必要な手続き(例えば行政機関の各種届出や銀行での金銭の出し入 れ等)や公共施設・交通機関の利用にあたって、基本的なルール(常識化され た約束事や手順)を理解し、周囲の状況に合わせて適切に行動できる。
おおむねできるが時には 助言や指導を必要とする 社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用について、習慣化されたものであれば、各々の目的や基本的なルール、周囲の状況に合わせた行動がおおむねできる。だが、急にルールが変わったりすると、適正に対応することができないことがある。
助言や指導があればできる 社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用にあたって、各々の目的や基本的なルールの理解が不十分であり、経常的な助言や指導がなければ、ルールを守り、周囲の状況に合わせた行動ができない。
助言や指導をしてもでき ない若しくは行わない 社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用にあたって、その目的や基本的なルールを理解できない、あるいはしようとしない。そのため、助言・ 指導などの支援をしても、適切な行動ができない、あるいはしようとしない。

 

 

日常生活能力の程度

1、社会生活は普通にできる。

・適切な食事摂取、身辺の清潔保持、金銭管理や買い物、通院や服薬、適切な対人交流、身辺の安全保持や危機対応、社会的手続きや公共施設の利用などがある程度自発的にできる。あるいは適切にできる。
・知的障害を持たない人と同じように日常生活及び社会生活を送ることができる。

 

2、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要である。

・(1)のことが1人で自発的にできるが、時に支援を必要とする場合がある。
・日常会話はできるが、抽象的な思考が不得手で、込み入った話は困難である。また簡単な漢字の読み書きはできる。
・日常的な家事をこなすことはできるが、状況や手順が変化したりすると困難が生じることがある。身辺の清潔保持は困難が少ない。対人交流は乏しくない。ひきこもりがちではない。行動のテンポはほぼ他の人に合わせることができる。金銭管理は概ねできる。社会生活の中で不適切な行動をとってしまうことは少ない。

 

3、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。

・(1)のことが概ねできるが、支援を必要とする場合が多い。

・具体的な事柄についての理解や簡単な日常会話はできるが、声かけなどの配慮が必要である。
ごく簡単な読み書きや計算はできるが、生活場面で実際に使うことは困難である。

・医療機関等に行くなどの習慣化された外出は付き添われなくても自らできるものの、ストレスがかかる状況が生じた場合に対処することが困難である。
食事をバランスよく用意するなどの家事をこなすために、助言などの支援を必要とする。
身辺の清潔保持が自発的かつ適切にはできない。
適切な指導のもとで、 社会的な対人交流や集団行動がある程度できる。
自発的な行動に困難がある。日常生活の中での発言が適切にできないことがある。
行動のテンポが他の人と隔たってしまうことがある。
金銭管理ができない場合 がある。社会生活の中でその場に適さない行動をとってしまうことがある。
適切な指導があれば単純作業 はできる。

 

4、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。

・(1)のことは経常的な援助がなければできない。

・読み書きや計算は不得手だが、簡単な日常会話はできる。生活習慣になっていることであれば、言葉での指示を理解し、ごく身近なことについては、身振りや短い言葉で自ら表現することができる。日常生活 では、経常的な支援を必要とする。

・例えば、親しい人との交流も乏しく引きこもりがちである、自発性が著しく乏しい。自発的な発言が少なく発言内容が不適切であったり不明瞭であったりする。
日常生活において行動のテンポが他の人のペー スと大きく隔たってしまう。
金銭管理は困難である。
日常生活の中でその場に適さない行動をとってしまいがちである。
保護的な環境下での専ら単純かつ反復的な作業はできる。

 

5、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。

・(1)のことは援助があってもほとんどできない。

・言葉の理解も困難またはごく身近なことに限定されており、意思表示はごく簡単なものに限られる。

・入院・入所施設内においては、病棟内・施設内で常時個別の援助を必要とする。
在宅の場合においては、 医療機関等への外出も自発的にできず、付き添いが必要である。
家庭生活においても、適切な食事を用意 したり、後片付けなどの家事や身辺の清潔保持も自発的には行えず、常時の援助を必要とする。

 

 

等級の目安

 

等級の目安は以下の通りです。

5 4 3 2 1
3.5以上 1級 1級又は2級
3.0以上3.5未満 1級又は2級 2級 2級
2.5以上3.0未満 2級 2級又は非該当
2.0以上2.5未満 2級 2級又は非該当
1.5以上2.0未満
1.5未満

:日常生活能力の程度の平均   :日常生活能力の判定

 

 

金額はいくらもらえるの?

 

障害基礎年金の金額はいくら?

 

年金額(平成31年度[令和元年]/2019)

障害等級 年金額 月額
1級 780,100円 × 1.25 約8万1千円
2級 780,100円 約6万5千円

 

 

障害年金の受給できる金額については、他の記事でより詳しくまとめておりますのでそちらの記事をご覧ください。▼

障害年金とは?申請方法やもらえる金額、更新方法までを解説

2019.08.31

 

 

申請方法は?

 

必要書類

 

最低限必要な書類

1、年金請求書

2、年金手帳

3、本人の生年月日を明らかにできる書類

4、医師の診断書

5、受診状況等証明書

6、病歴・就労状況等申立書

7、受取先金融機関の通帳等(本人名義)

8、印鑑

 

その他、本人の状況によって必要な書類

・請求者本人の所得証明書(マイナンバーをご記入いただくことで、添付を省略できます。)

・身体障害者手帳、療育手帳

 

 

手続きの流れ

 

1、年金事務所や市(区)役所または町村役場に相談します。

2、年金請求書と必要書類を揃えて年金事務所や市(区)役所または町村役場に提出。

3、日本年金機構から「年金証書」、「年金決定通知書」が自宅に届きます。(年金請求書を提出してから通知が届くまで、3ヶ月ほどの期間を要します。)

4、年金証書が自宅に届いてから約1〜2ヶ月後に、指定された口座へ、初回分(受取り開始年月から直前の受取り月の前月分まで)の年金が振り込まれます。

5、その後、偶数月に定期的に、指定された口座へ2ヶ月分の年金が振り込まれます。

 

申請から受給までの期間は、半年を見ておく必要があります。

また、手続きに関しては煩雑な為、社労士(社会保険労務士)に代行してもらうことも可能です。

 

障害年金の申請方法については、他の記事でより詳しくまとめておりますのでそちらの記事をご覧ください。▼

障害年金とは?申請方法やもらえる金額、更新方法までを解説

2019.08.31

 

 

更新は必要なの?

 

更新の時期はいつ?

 

障害年金を受給されている方は定期的に診断書(障害状態確認届)を日本年金機構に提出する必要があります。

一般的に更新と呼ばれますが、その時期は人それぞれで、初めて更新される方は年金証書の「次回診断書提出年月日」に更新時期が記載されています。

 

精神疾患で、障害の状態が変化しやすい方は毎年更新が必要になる場合もあります。

 

 

手続きの仕方

 

手続きの流れ

更新月(誕生月)の3ヶ月前の末ごろになると、障害状態確認届(診断書)という書類が日本年金機構から送られてきます。

更新の手続きはその診断書を医師に書いてもらい、更新月(誕生月)までの期間の間に、所定の場所に提出するだけです。

 

 

必要書類

 

障害年金の更新に必要な書類は診断書(障害状態確認届)のみです。

障害年金の申請の時のように多くの書類は必要ありません。

 

 

結果について

 

更新の結果は、提出月の約3か月後に文書またはハガキで通知されます。

受給中の障害年金は、提出月から3か月後の分までは保障されており、その後の障害年金は、審査結果に応じて変更、または継続されます。

 

また、審査結果により等級が変更になった場合は、「支給額変更通知書」という書類が届きます。

 

 

最後に

 

知的障害で生活や仕事に制限がある方にとって、障害年金は家計を支えてくれる大事な制度です。

等級の認定基準や所得制限などは少し複雑ですが、お金に関することは曖昧にではなく、しっかりと理解しておきたいですよね。

 

 

シェアしてくれるとめちゃくちゃ嬉しいです!