私は下半身の麻痺以外にも手も麻痺していて握力がほとんどないので、いわゆるガラケーにあるようなボタンの操作が難しく普段からほとんどタッチだけで済むスマホを利用しています。
そして先日、今まで使っていたiPhone6からiPhoneXに機種変更してきました。
そこで、体が不自由な人にとって便利な機能がiPhoneXには搭載されていますので、当事者の目線から紹介していきたいと思います。
Face ID
iPhoneXの新機能で注目されているのがFaceID。
今まではホームボタンに指を置いて指紋認証でロックを解除していたのが、iPhoneXからは画面を見るだけで顔を認証してロックを解除してくれます。
これが手の不自由な私にとって、とっても便利。
というのも指紋認証は今までほとんど使っていなくて、いつもiPhoneを開くときはパスコードを打っていました。
なぜかというと手が不自由だと親指をホームボタンに上手く添えることが出来ないんです。あの小さなホームボタンに添えれたとしてもそのまま少しの間キープする事ができない。
だから個人的には指紋認証使えねぇな、と思っていました。
今後は画面を傾けて、もしくは画面をタッチして”見るだけ“でロック解除できるので手間が省けて嬉しいです。
体の不自由な人、特に手の不自由な人にはとても便利な機能が追加されたんじゃないかなと思います。
ホームボタン廃止
iPhoneXではホームボタンがなくなりました。
手の不自由な人、特に握力がない人にとってはボタンを押す動作が難しいので、それが無くなったのでスムーズに操作ができるようになったと思います。
また、ホームボタンがあった下の方まで画面が大きくなったのでとても見やすくなったと思います。
ただ欲を言えば、本体の両サイドにある音量や電源などのスイッチも握力がない人には難しいので、今後操作しやすいように工夫してもらいたいです。
ワイヤレス充電
これも手の不自由な人にはとても便利です。
iPhone6にはワイヤレス充電の機能はなかったので普通に本体にケーブルを指して充電していました。
しかし小さなケーブルをつかむ事は手の不自由な私にとっては難しく、しかも握力がないので押し込むのも一苦労でした。
そして抜く時も握力がないので難しいので、いつもケーブルを手に少し巻いて引っこ抜いていました。
なのですぐにケーブルは悪くなって充電できなくなってましたね。
それがiPhoneXに変えてからワイヤレス充電出来るのであら、便利!ケーブルを差し込まなくて済むんです。
専用のパットの上にポンと置くだけ。
ワイヤレス充電だと若干時間がかかる気がしますが、寝る前にパットの上に置いておけば朝にはフルになってます。
急いで充電したい外出先とかには向かないので今後その辺りの機能も充実させてほしいです。
Apple Pay
体が不自由な人にとって買い物は一苦労。
とくに車椅子ユーザーはスーパーなどで買い物をする時、籠を手で持つと車椅子をこげなくなるので膝の上に籠を置いて買い物します。
するとバッグを置く場所に困るので私は籠の中に入れておきます。
それで会計の時に籠をレジに置いて、バッグを膝の上に戻して、財布を出してお金を出して、また財布をしまって、買ったものを貰って…と作業が多くて、体が不自由だと動作が遅く後ろで待っている人に迷惑がかかってしまっているんじゃないかと焦ります。
手が不自由な人だと小銭をうまく掴めないのでもっと時間がかかりますよね?
もう少し余裕を持って会計をしたいものです。
そんな時にApple Payがあれば携帯で支払いを済ませれるので、財布をわざわざバッグから取り出さずに済みます。
FaceIDで顔認証、そしてApple Payで支払い。終わり。
これでこれからはレジで緊張しなくても済みますね!
買い物が楽しくなるので無駄遣いしないように気をつけないと。
あと支払いと言えば、駐車場の支払いもApple Payなどの電子マネーで支払いできたらすごく便利なのになとつくづく思います。
チケット取ったりするのも大変なんですよね。健常者でも発券機に車を寄せきれないで苦労した人いますよね?
調べたら電子マネーで支払える駐車場ありました、まだまだ少ないですが。
Siri
重度の障害を抱えている人にとって、スマホを持ったりタッチするのも難しいことがあります。
それでも大丈夫。
iPhoneXではタッチしなくても”Hey,Siri“と呼びかけるだけでSiriが反応し、その後に電話をかけたり、音楽を聴いたり、メールを送ったり出来ます。
つまり触らなくても声さえ出せれば操作できるんです。
まさに常に秘書がいるような感覚ですよね。
Siriが出始めの頃と比べるとだいぶ性能が良くなってきましたし、こんな短期間でこれまで成長するとは正直思っていませんでした。
これからどうなっていくか期待したいと思います。
ちなみに”OK,Google“でお馴染みの、Google Homeも音楽を流してくれたり、調べ物をしてくれたりする他、テレビをつけてくれたり、電気をつけてくれたりするので、体の不自由な人にとっては便利ですし、1人でいる時も安心できるのではないかと思います。
今後AIがもっと発展していけば体の不自由な人にとっては人に手を借りず自立して生活できるようになるので、生活の質が上がると思います。
近い将来、重度の障害がある人でも1人で車の移動が出来るようになり、外出する機会も増えていくのではないでしょうか?
まとめ
iPhoneが誕生してから10年以上たちましたがどんどん体の不自由な人にとって便利なものになってきました。
体の不自由な人にも使いやすいようにデザインすることによって、健常者にとっても操作性が向上します。
これから新しく作るプロダクトにはそういったユニバーサルデザインの考え方が重要になってきます。
ユニバーサルデザインの考え方は体が不自由な人にかかわらず、左利きの人、外国から来る人、LGBTなどの少数派やすべての人々にとって利用しやすいプロダクト、サービスのデザインをしようというものです。
今後はそのような少数派の人々がどのように意見を発信していくかが重要になって来ると思います。