激しい頭痛で悶え苦しんだ話|自律神経過反射




 

今回は、僕が自律神経過反射を発症した時の体験談。

自律神経過反射っていうのを聞いたことがない方もいると思うので説明すると、
これは頸髄損傷を含めた脊髄損傷T6レベル以上の人に起こる可能性があって、本当にこれは大げさではなく最悪の場合、死を招く危険性もある恐ろしい症状です。

発症すると、頭をハンマーでガンガン殴られているような激しい頭痛と大量の汗が流れてきて、悶え苦しみのたうち回る、そんな状態になります。

それで、

この自律神経過反射というのは特殊な症状らしくて、医療従事者の中でも専門としている医師など出なければ、対処法などの知識を持っていないみたいなんですね。
なので、対象になる方、頸髄損傷を含めた脊髄損傷T6レベル以上の人というのは、自分自身でしっかりとその知識と対処法などを把握しておく必要があると思います。

ということで今回は、その自律神経過反射を4回ほど経験した僕のその時の体験談をしていきたいと思います。

 

初めて自律神経過反射が起きた時のこと

 

初めてそれが起きたのはある日の深夜、激しい頭痛で目が覚めました。

こめかみの辺りをグイグイと激しく押されている感じで、その時は何が起きたのかわからなくて、とりあえず横になっていれば治ると思ってしばらく横になっていたんですが、その頭痛は収まるどころかどんどん激しくなっていきます。

ちょー頭いてぇー。

どんどん頭痛は強くなっていって、脈拍と同じタイミングで頭をハンマーでガンガン殴られているようなそんな激しい頭痛になっていきました。

それで原因もよくわからないし、もう自分だけじゃどうしようもなくて、電話で同居している母を起こそうとしたんですが、もちろん深夜なのですぐに母も目が覚めるわけはなく、
しばらく電話をかけ続け、その間も激しい頭痛は収まらずのたうち回っている感じ。

それでやっとで母が起きてきて、それから母とあたふたしながら、おしっこに原因があるかもと気づいて、見てみると、全然おしっこが出てなかったんですね。

その間もガンガンハンマーで頭を殴られ続けていて、さらにお腹が痙攣するようにもなりました。

もう耐えられない。

もー本当に耐えられないって思ったんですが、力を振り絞ってカテーテルを尿道に入れて導尿してみました。

すると尿がどんどん排出されてありえない大量の尿が出てきて、それで、頭痛はやっと段々と落ち着いていきました。

もーそのあとは、しばらく横になって放心状態って感じ、、、

マジで死ぬかと思った。

 

原因

 

この初めて起きた過反射の原因はなんだったのかというと、実はその期間、ちょっと名前は忘れたんですが、尿漏れを抑える感じの薬を処方してもらって飲んでいたんですね。

なぜかっていうと、いつもは導尿を時間おきにしていたんですが、僕の場合、それが追いつかずに漏れてしまうことが結構多くて、排尿管理に悩んでいたから。

それで薬を飲んでいた時期は薬の効果で膀胱に尿をしっかり溜めてくれていたので、導尿をする頻度が減って、漏れも少なく、効果にある程度満足していました。

ただ、それが原因で寝ている間に尿が排出されずに、膀胱に尿を溜めすぎて、自律神経過反射が起きたということになります。

本当にこんな事が起きるとは全く予想していなかったです。

 

一ヶ月以上入院した2度目のこと

 

2回目の過反射が起きた時は長期にわたって本当に大変でした。

その時期は、体を硬くしないために気が向いたらだけどストレッチをするようにしていて、その日も股関節のストレッチをしていて、たまたまその日は熱が入って入念にやりました。

それで終わった後、その日一日、なんか変な汗が続いていて調子が悪いなと思っていました。

結果的にそれが原因で過反射が起きます。

 

それで次の日の朝に、いつものように朝起きて電動ベッドのギャッチアップで頭を上げていると、またあの激しい頭痛が起き始めました。

その時もすぐ収まるだろうと思ったんですが、収まらずどんどん強くなっていって、あの時と同じ、頭をハンマーでガンガン殴られ始めます。

それで、前回の経験があったので、尿が出ていることを確認したんですが、その時は問題はなくて、その時は留置式カテーテルを膀胱に入れていたのでもしかして詰まっているのかなと思って、新しいものに入れ替えたんですが、頭痛は収まりませんでした。

またかよ、なんでだよ。

それで悶えながらなんとなくベッドを平らに戻し横になってみると、頭痛が少し楽になって、収まってきて、ただ、もう一度頭をあげると頭痛がまた発生して、それでまた頭を下げると収まるという、よくわからない状態で、とりあえず横になっていると過反射は起きないのでしばらく横になっていました。

ただ、その状態は何日経っても変わらなかったんですよね。

ずっと頭を上げることが出来ない寝たきりの状態が続いて、食事をする時だけ頭を上げて、でもすぐに激しい頭痛が起き始めるので、すぐ横になる、収まったらまた頭を起こして高速でご飯を食べてすぐまた横になる。

そんな感じで食事を取ります。もちろんシャワーも浴びれません。

 

それで、そんな生活を1ヶ月過ごしても一向に良くならず、やっとで病院に行くことにしました。

それで病院に行ってもすぐ原因がわからず、検査をするために入院することになって、入院している間、いろんな検査をしたんですが、異常はまったく無く、先生もお手上げ状態でした。

それでそこから1ヶ月半ほど入院して、症状は落ち着いていくんですが、その入院期間中に、なんと別の原因で自律神経過反射が起きます。

 

3度目の過反射

 

その入院生活で、排便をする為に浣腸をしてもらっていたんですが、その時が本当に怖くて、
なぜかというと、浣腸液を入れて排便を促すと、頭を上げずに横になっていてもあの激しい頭痛が現れる状態になったからです。

排便が終わると頭痛は収まるんですが、便が出るまでの間は頭痛が発生しました。

それで浣腸する日は怖かったんですが、ある日、浣腸がいつも以上にうまくいかず、便が1時間くらい出ない時があって、その間ずっと頭痛で悶えていました。

そして結局、耐えきれずにナースを呼んで、摘便をしてもらうことにしました。

それで、摘便をしてもらって結構出たんですが、それでも頭痛と大量の汗が止まらず、寝て横になっているのにも関わらず、ハンマーで頭を殴られ続けて2時間くらいは悶え苦しみました。

血圧を測ると、いつも上が7、80なのが170を超えていて、さらにお腹のあたりがピクピクと痙攣するようにもなりました。

もう耐えられない。

もー本当に耐えられないと思って、そこでやっと思い出して尿が出ているか確認してもらうと、やっぱり出ていなくて、その時は留置式カテーテルを付けていたんですが新しいものに変えてみることにします。

するとどんどん大量の尿が出てきて、それでやっと、やっとの事で頭痛が収まり始めた。

もー2時間くらい悶え苦しんで叫んだり死ぬかと思ってシーツも汗でびしょびしょに濡れてました。

マジで死ぬかと思った。

 

そんなことがありながら、1ヶ月半くらい入院生活をしていく中でネットでいろいろその症状について調べていくうちに、そこでやっと自律神経過反射というものに巡り合います。

「これだ。」と思って病院の先生に言ってみたんですが、先生はあまりピンときていない様子でした。

それで、入院して安静にしているうちに頭を上げても多少頭痛は起きるけど耐えられる程度になって、車椅子に少しの時間は乗ることができるようになったので、原因ははっきりしなかったけど退院することになります。

それで、自宅に帰ってから1ヶ月ぐらい安静にしているとやっとで正常に戻ったっていう感じです。

 

原因

 

この2回目と入院中の3回目の過反射の原因はなんだったのかというと、

まず、2回目の頭を上げると頭痛が起きる過反射の原因は、病院でははっきりしなかったんですが、やはり前日の激しいストレッチだったと今では思ってます。

そのストレッチをやり過ぎたせいでおそらく腰を痛めたんじゃないかなと思っていて、なぜそう思っているのかというと、

僕は頸髄損傷になる前、健常者だった時、腰痛を抱えていて、それで、健常者の頃も激しい運動をした後に腰が痛くて次の日の朝起き上がれなくて、腰を伸ばせないって時が何度かあったんですね。

その症状と似てると思って、しかも、

入院生活の中で理学療法士の先生に足のストレッチをしてもらっていたんですが、その時にベッドに横になって頭を上げていないにも関わらず、頭痛が発生していて、そこで気づいたのは、
どうやら頭をあげた時に過反射が起きているのではなくて、それに関わらず、腰になんらかの負担が来たときに過反射が起きているんだという事です。

ただ、頸髄損傷して下半身が麻痺しているので、そんなことはありえるのかなと疑問だったんですが、今ではそれが原因だと確信しています。

 

それで、入院中に浣腸をしてもらっているときに起きた3回目の過反射は、それとは別の原因で、ただ膀胱の充満が原因だったのだと思います。

ということで、この入院した2回目と3回目の過反射の経験でもう本当に2度とこんな症状はなりたくないと心の底から思いました。

 

4度目の過反射

 

しかし、またそれは起こってしまいます。

4度目はいつものように便器で浣腸をしている時のことで、その日はなかなか便が出なくて、1時間くらい経っても便が出てこなかったんですね。

それでかなり苦しくなってきて、どうにもならず、母に摘便をお願いすることに。
その時、あの頭痛が起き始めます。

あ、やばい。

もう、3回経験しているので、あ、来たって思って摘便をやめてもらったんですが、それでも頭痛は激しくなっていって、
とにかく便を出した方がいいと思って、浣腸液を足して注入してみたり、摘便をしてもらって、それで便はある程度出たんですが、それでも激しい頭痛は続いて、ハンマーで頭を殴られ続けていました。

それでしばらくして、やっと思い出しておしっこの方を確認してみると、やっぱり膀胱に尿が結構溜まっていて、それで溜まった尿を出すことで段々とそのあと頭痛も収まっていきました。

早く膀胱を確認すればよかったのに、その時は便が詰まって発症したものだと思い込んで対応が遅れてしまったわけです。

 

原因

 

今回の4回目の過反射の原因は、単純に膀胱に尿が溜まり過ぎていたからだったんですが、その時は浣腸がうまくいっていなかったのでそっちに気を取られて、膀胱に尿が溜まっているのに気づいていなかったんですね。

その時は留置式カテーテルを入れている状態だったんですが、採尿バッグにはつないでいなくて、カテーテルの先に蓋がついているタイプで蓋をしていたので、尿が出たくても出れない状態でした。

3回も過反射を経験してある程度その知識はあったはずなのに、その時は対応を誤ってしまって、また、もがき苦しみました。


最後に

 

ということで、以上が僕が今までに経験した4度の自律神経過反射になります。

これは頸髄損傷と脊髄損傷のT6レベル以上の人に起こる可能性があって、もし今までにこの症状が起きていなくても、これから先いつ起こるかわからないので本当に対象の方は十分注意していただきたいです。

しかも、この症状はもしかするとかかりつけ医師は対処法などの知識を持っていない可能性があります。

なので対象になる方は、自分自身でしっかりと、その知識と対処法を把握しておく必要があると思います。

本当に、発症すると、悶え苦しみのたうち回ることになるので十分に注意していただきたい。

 




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