頸髄を損傷してから自分の身に起こった、危険な出来事5選




 

今回は、頸髄を損傷して身体が不自由になってから僕の身に起きたことで、場合によっては生死に関わるような”危険”な出来事を5つほど紹介します。

 

1、真冬に駐車場で車椅子から転落

 

僕は普段車を運転していて、車椅子から車に移乗しなければいけないんですが、その時にこれまで何度か失敗して転落しています。

車椅子から落ちてしまうと、僕の場合、自力で車椅子に戻ることができないので誰かの手を借りることになるんですが、そんな時に周りに人がいない時は本当に最悪。

それでこれが冬に起きることがけっこう多くて、なぜかというと、冬は厚着をしなければいけないので、何枚も服を着ているとうまく体を動かすことが出来なくなってしまうから。

それに冬は凍えるように寒くなる青森に僕は住んでいて、冬になると雪やら氷やらで路面の状況が悪くなって、車椅子のブレーキをかけていても、車椅子が安定しないってことがよくあります。

そんな状況で、車椅子から車の移乗をするので、失敗して転落してしまうことがあるわけです。

まあ最悪、転落した時には周りに助けを求めて二人がかりとかで車椅子に戻してもらうんですが、これが周りに人がいない時が本当最悪。

これまでそういった状況になった時が真冬に2回あって、その時は幸い携帯が手の届くところにあったので助けを求めることが出来たんですが、もし携帯に手が届かなかったらどうなっていたことか、、、たぶん、叫んで助けを求めるしかないですよね。

なので、同じような障害をお持ちの方は是非とも、車と車椅子の移乗は人気がある駐車場で行うことをお勧めします。

 

 

2、気管に食べ物を詰まらせて呼吸困難

 

食べ物や飲み物を気管に詰まらせてしまった時、僕のように頸髄を損傷して胸から下が麻痺してしまうと、腹筋も当然麻痺して使えないので、うまくむせて吐き出すことが出来ないのであれはマジで危険。

これは今まで何度も経験していて、その度に吐き出すのに必死でゼーゼーなりながらやっとで吐き出して、そしてボロボロ涙が流れてきてほんとに死ぬかと思います。

それでそういった状況になるのが、友人と楽しくおしゃべりしながら飲み食いしている時に起こることが多いんですよね。

それまで楽しく会話していたのが一瞬で、凍りつくっていう。

まあねでも、周りに誰かいる時なら、背中を叩いてもらったり、お腹を押してもらったりしてどうにかなるので、周りの人にジェスチャーで冷静にどうして欲しいか伝えることが大事。

ただ、これがもし一人だけでいて気管に何か詰まらせてしまって、取り除けなかったらと思うとマジで恐ろしいですよね。

そんな死に方はしたくない。

僕は何度か一人で食事をしている時に詰まらせて怖かった経験があります。

呼吸ができなくなるって本当にあれ恐怖なんですよね、パニック状態。

なので、出来るだけ一人で食事をしない方が本当はいいです。

一人で行動している時も、周りに人がいるところを選んで食事をするとか。

 

 

3、褥瘡

 

そして3つ目、これは現在も進行形のことなんですが、”褥瘡”です。

褥瘡っていうのは、一般的に床ずれともいいますが、寝たきりの人とか僕のように下半身が麻痺していて車椅子に乗っている人にリスクがあるもので、体重で圧迫されているところの血流が悪くなって赤くなったり、悪化すると傷ができたり、ただれてしまったりするマジで恐ろしいもの、それが褥瘡です。

僕の場合はそれが足の裏に数年前からできてしまっていて、でき初めの頃はただ赤くなっていて気をつけなきゃなーと思っていた程度だったんですが、
ある時、なんか変な汗をかく日が続いて、いつもなら膀胱の調子がおかしい時に汗をかく時が多いんですが、膀胱にはなんの異常もなくて、ずっとおかしいなーって思って調べているうちに、足の裏のその赤くなっている部分が圧迫されて汗をかいているんだと気づいて、それからやっと足の裏をケアするようにしました。

感覚がないって恐ろしいですよね。

ずっと、汗を出すことで体は異常を伝えていたんですが、痛みを感じない自分はそれに気づかないっていう。

それから出来るだけフットレストから足を外して助圧をするようにしているんですが、発見してから今まで7,8年になるんですがいまだにそれは完治していません。

未だに足をフットレストに長時間乗せていると、体の調子が悪くなります。

本当に褥瘡って一度できてしまうと治りづらいんですよね。

それで、褥瘡ができた場所が、僕の場合は足の裏なのでまだマシだと思うんです。

これが、お尻に出来てしまうと大変で、車椅子に乗れる時間が制限されたり、悪化すると車椅子に乗れなくて手術しなければいけなかったり、そして数ヶ月うつ伏せの状態で過ごさなければいけなかったりすることもあるそうです。

数ヶ月うつ伏せの状態でいなければいけないなんて、過酷すぎますよね、なんも出来ないです。地獄。

本当に褥瘡は一度できてしまうと治りにくくて、生活の質を一気に落とすマジで恐ろしいくて危険なものなので、同じような障害の方は甘く見ずにぜひ気をつけて欲しいです。


 

4、バックドロップで後頭部を強打

 

危険な出来事4つ目、バックドロップで後頭部を強打。

これはつまり、車椅子が後ろにひっくり返って後頭部を地面に強打する事なんですが、これも本当に危険。

何がって、腹筋背筋が効かない僕のような人間は、受け身を取ることが出来ないので、そんな感じで後ろにひっくり返ってしまった時にはもろにスコーンって後頭部がぶつかっていくんですよね。

これ当たりどころが悪いと、怪我どころじゃなく、一気にあっちの世界に行ってしまう気がします。

僕はそんなバックドロップの経験が2回ほどあって、どちらも坂道を下っている時に起きたんですが、その時はうまくブレーキをかけられずに勢いがついてスピードが上がってしまって、後ろに体重をかけすぎてそのままバックドロップしたっていう感じ。

確かその時は車椅子ユーザーになってから2,3年くらいの時期で、初めのうちは車椅子に転倒防止バーっていう、車椅子がひっくり返らない器具があってそれをつけていたんですが、だんだん車椅子の操作に慣れてくるとそれが邪魔になって、結局その時は外していたんですよね。

それで車椅子の操作に慣れて調子に乗っているうちにそんな目にあったわけです。

それに、その時は、車椅子の背もたれもだいぶ低くしていました。

その時期っていうのは、車を自分で運転出来るようにもなった時期で、車に車椅子を積み込みやすくするために、出来るだけ車椅子をコンパクトにしたいと思っていて、それで転倒防止バーを外したり、背もたれも低くしたりしていました。

ただ、背もたれを低くしすぎるとそうやって後ろにひっくり返るリスクが高くなるので本当に危険です。

ということでその時は打撲と1、2週間首が痛かっただけですんだんですが、本当に当たりどころが悪いと恐ろしい結果になりかねないので、同じような障害の方は気をつけてください。


 

5、自律神経過反射

 

最後に自律神経過反射という恐ろしいものについて。

この言葉は知らない方も多くいらっしゃるのかなと思いますが、これは頸髄を損傷すると起こりうるこれもマジで危険な症状なので知らない方は覚えておくことをお勧めします。

頸髄を損傷したり、脊髄損傷の一部の人は、よくおしっこが出るときとか排泄関係で異変がある時に、汗がでたりとか、頭が痛くなったりとか、体に異変を感じると思います。

それを例えると“さざなみの症状“だとすると、それが一気に“津波“となって襲ってくる、それが自律神経過反射です。

僕が経験したのは、ハンマーでガンガン叩かれているような激しい頭痛、そして汗も滝のように流れてきて、本当に苦しくてパニックになってしまってう、一度経験するとトラウマになる死ぬほど苦しい状態。

この自律神経過反射が起こる原因の多くは、下腹部でなにか異変が起きている時で、多くは膀胱に異変がある時に起こるらしいです。

僕はこれを4回経験しているんですが、その経験した4回のうち3回は膀胱に尿が溜まって排出することが出来なくてパンパンに膀胱が膨れ上がった時に起こっています。

僕の場合はそれが、いずれも周囲に誰かいる時に起きたので、助けを求めることもできたし、原因を取り除いてどうにか生き延びることができたんですが、これがもし、外出先で起こったらとか、一人でいる時に起こったらとか、考えるとほんとにゾッとします。

本当に救急車を呼ぶレベルの話。

この症状は、今まで経験したことがないと、どうやって対処したらいいのかわからない場合が多いと思うので、同じ頸髄損傷の方はいつか起こる可能性があるので、必ず覚えておいた方がいいと思います。

そして、この自律神経過反射の多くは膀胱に原因がある時に起こるので、まずは膀胱に尿が溜まっていないかの確認をしてください。

より詳しく知りたい方はググってみると色々記事があるので調べてみてください。

恐ろしいトラウマになるくらいの症状なので忘れずに覚えておくことをお勧めします。


 

最後に

 

ということで今回は、頸髄を損傷してから自分の身に起こった”危険”な出来事を5つ紹介しました。

同じような障害をお持ちの方は、あなたの身にも起こるかもしれないことなので是非とも気をつけていただきたいです。

 




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