排便の問題で悩んでいるそこのあなた!
PECという手術があるのをご存知でしょうか?
僕はつい最近その手術を受けてきたんですが、PECを受けて約1ヶ月
めちゃくちゃ調子良いんですよ!
もちろん、手術をしてすぐの1週間は安定しないのも当然だと思うんですけど、その後はめちゃ快調なんです!
長い間いろいろ調べて、試行錯誤して、やっとこの手術を知って、長い期間迷った甲斐があった、、、
今回はそんなPECを皆さんに紹介したいと思います。
脊髄損傷などの障害で下半身が麻痺している人はとくに排便のコントロールには悩んでいると思うので、必読です!
特に脊髄損傷の人に読んでほしい
僕は脊髄損傷で体の7割くらい麻痺してるんですけど、”手足が動かない”って言う不自由さはだんだんと工夫したり道具を使ったりしていけば慣れていくんですよね。
でも、一つだけずっと悩み続けていたことがあって、それがまさしく「排便の問題』。
下半身が麻痺している人って、車椅子に乗って不自由っていう以外に排便の問題もあるんです。
特に排便の問題の方が苦労している人が多くて、よく同じ脊髄損傷の人達と話をするとその話題になります。
「ほんと足なんて動かなくていいからうんち漏れないでほしいよね」
って。
外出中に漏れるのは最悪。
匂いが出るし、「あの人臭い」って思われるし、友達と一緒にいたりすると「まじごめんね」ってなります。
それで泣きべそかいて家に帰って溜息つきながらうんちがついたパンツを洗うんです。
はぁー
漏らすのってけっこう精神的にキツイんですよね。
そういうのもあって外出をしなくなったりする事もあるんです。
これってほんとにほんとに大きな問題です。
どうにかこの問題を解決したくていろいろ試したし必死に調べました。
そこで発見したのがPECという手術。
僕にとっては希望の光でした。
PECとは
日本語では
経皮内視鏡的盲腸瘻造設術と言うそうです。
P : percutaneous(経皮的)
E : endoscopic(内視鏡)
C : cecostomy(盲腸瘻造設術)
経皮的に、内視鏡を使って、盲腸瘻を作る手術です。
盲腸瘻(盲腸ポート)造設術とは
ほんとにわかーりやすく、簡単に説明すると
大腸の始まりの盲腸に穴を開けてトンネルを作りそこにチューブを通し、お腹の外に出す
といった手術です。
手術後は右下腹部にこんなチューブがつきます。▼
インターネット上には盲腸瘻(盲腸ポート)の情報は少ないんです。
だけど、似たようなもので胃瘻と言うものがあります。
盲腸か胃かという違いです。
内視鏡
PECはその名の通り内視鏡を使って盲腸瘻を作ります。
内視鏡を肛門から腸の中に入れて盲腸瘻を作る位置を中からも確認しながら施術します。
そうすることによって出血した時とかにすぐに対応できて安全に行うことができるそうです。
そしてお腹の切開はわずか1センチ以下で済んでしまいます。
内視鏡を使わないで盲腸瘻を作ることもできますが、そうなると開腹手術が必要でお腹の切開は大きくなってしまうそうです。
しかもPECは手術が始まって1時間以内であっという間に終わってしまいます。
僕も手術前は少し緊張していましたが、終わった後は「こんなもんなんだ」と思いました。
順行性浣腸(ACE)とは
その盲腸瘻をつくって何をするかというと
順行性浣腸(ACE)です。
そこから浣腸液を注入し排便を促します。
普通に浣腸するにはお尻の穴から浣腸液を入れますよね?
つまり腸が便を押し出す逆方向から浣腸液を入れていることになります。
そうなるとやはり浣腸液が腸の奥に行き届く事は難しいので結果的に便が綺麗に流れて行かずに大腸の中に残ってしまいます。
一方で順行性浣腸(ACE)とは腸が便を押し出す流れにそって盲腸瘻から浣腸液を流すことを言います。
普通の浣腸と違って盲腸から直腸までの便を全て流してくれるので、終わった後は便が漏れにくくなります。
手術後のケア
手術後のケアとして必要なのはチューブ周辺を毎日洗って清潔に保つことぐらいです。
普通にお風呂に入ってシャワーでそのまま洗っても問題ないです。
洗った後はよく水分を拭き取って乾燥させてガーゼを当てておきます。
また、チューブの脇からは普段ほんの僅かですが便汁が出てきてそれが肌トラブルの原因になるので気をつけなければいけません。
ただ、ガーゼを当てておけばそれが汁を吸ってくれるので垂れてくる事はないですし、匂いも全く気にならないので安心してください。
一番気をつけなければいけない事は、チューブを間違ってどこかに引っ掛けてしまって強く引っ張って抜けてしまわないようにする事です。
もしチューブが抜けてしまったら自分で入れ直す事はできないので手術をした病院に行くしかありません。
また、チューブは1年に1回交換が必要です。
なので手術後は1年に1回は必ず手術をした病院に行くことになります。
まとめると
- 清潔に保つ
- チューブが抜けないようにする
- 1年に1回チューブの交換が必要
まとめ
体が不自由で排便のコントロールが難しい人にはPECは有効な手段だと思います。
排便の時間が短縮されたり、便失禁がなくなれば生活の質がよくなる事は間違い無いですよね。
最後になりましたがPECは人工肛門のような大きな手術ではないので管理も簡単だしリスクも少ないと思います。
それに、自分の体に合わない場合でも、チューブを抜いてしまえばまた元どおりになります。
僕も1ヶ月前にPECでチューブを入れました。
今のところ何も問題は無くいい感じです。
興味がある人は術後の経過を知りたいと思うのでこれから定期的にブログで発信していきたいと思うので、ぜひ読んでみてくださいね!
またPECについて何か質問がある人はブログのお問い合わせフォームかTwitterでメッセージをくれればお答えします。
そしてそして、PECについて詳しく書かれている宇野良治さんの著書を紹介します。
PECを本気で考えている人は読むべきだと思います。
▼僕もこの本を何度も読み返して手術を決めました。