自律神経過反射という頸髄、脊髄損傷者に起こる危険な症状とは




 

頸髄損傷、脊髄損傷T6レベル以上の人は絶対に覚えておかなければならない。

自律神経過反射。

 

頭をハンマーでガンガン殴られているような激しい頭痛大量の汗

この症状は大げさではなく最悪の場合、死を招く危険性もある

 

特殊な症状なので全ての医療従事者が対処法を知っているわけではない。

実際、

僕が発症した時も担当の医師は詳しく知らないようだった。

 

その後、一ヶ月入院して検査をしたけど原因はわからず、そのうちに症状が落ち着いてきて退院。

友人に聞いたり、ネットで自分で色々調べていくうちに自律神経過反射だということが判明した。

 

今回はその自律神経過反射について実際、自分の身に起こったことについて記しておきます。

頸髄損傷、脊髄損傷で対象になる人は絶対に覚えておいてください。

 

初めて自律神経過反射が起きた時のこと

 

深夜、激しい頭痛で目が覚めた。

 

こめかみの辺りをグイグイと激しく押されている感じ。

 

何が起きたのかわからなくて、横になっていれば治ると思っていたけどそれは収まるどころか激しくなってきた。

どうしようもなくて電話で同居している母を起こす。

 

その間も激しい頭痛は収まらずのたうち回る。

 

母が起きてきて、あたふたしながら「おしっこ出てる!?」と聞かれて、もしかしてそれかもと確認することに。

寝るときはオムツをしていていつもなら自然に尿が排出されてオムツが濡れているがその時はあまり濡れていなかった。

 

これかもと思って尿の排出を促すためにお腹を押してみる。

すると少しだけ尿が出たけど大量に出てこない。

その間も激しい頭痛は続いていて、お腹が痙攣するようになった。

汗も大量に出てきて、

「もう耐えられない。」

と思った。

 

すると、母がカテーテルを用意して導尿しようとする。

だけど、慣れていないのでうまく入らない。

激しい痛みで顔を歪めながら力を振り絞って自分で導尿をする。

すると尿がどんどん排出されて長い間止まらなかった。

やはり原因は膀胱に溜まった大量の尿だった。

 

そして、頭痛はやっと落ち着いていく。

 

疲れと安堵感の中、しばらく横になった、、、

 

マジで死ぬかと思った。

 

原因

実はその期間、医師から尿を出しにくくする薬を処方してもらって飲んでいました。

 

いつもはある程度膀胱に尿がたまると自然に排出されて、オムツをしていたけどパンツやズボンに染みることがあって悩んでいたから。

導尿を時間おきにしていたけど追いつかずに漏れてしまったり、何かの刺激で(特に利尿作用のある物を摂取した時)そんなに溜まっていなくても出てしまったり。

 

だから薬の効果で導尿をする頻度が減って、漏れも少なく、効果にある程度満足していました。

 

ただ、

それが原因でこんな事が起きるとは全く予想していなかったです。

 

 

一ヶ月以上入院した2度目

 

体を硬くしないために気が向いたらだけどストレッチをしている。

その日はたまたま熱が入って入念にやっていた。

 

すると終わった後に股関節周りが明らかに柔らかくなって、ちょっとやり過ぎたかなと思うぐらいだった。

痛みがわからないのでついついやり過ぎてしまう。

その日一日、変な額の汗が続いていた。

 

そして次の日の朝。

いつものようにベッドのギャッチアップで頭を上げていた。

すると、またあの激しい頭痛が起き始めた。

 

その時もすぐ収まるだろうと思ったけど、収まらない。

前の経験から、尿が出ていることを確認したけど問題なし。

その時は留置式カテーテルを膀胱に入れていたので新しいものに入れ替えたけど激しい頭痛は収まらなかった。

 

「またかよ、なんでだよ。」

 

悶えながらベッドを平らに戻し横になると、少し楽になり、だんだんと頭痛が収まってきた。

頭をあげると頭痛が発生して、頭を下げると収まるという事がわかり、しばらく横になった。

 

しかし、その状態は何日経っても変わらない。

食事をする時だけ頭を上げて激しい頭痛が起きると頭を下げる。

シャワーも浴びれず、濡れたタオルで頭を拭くだけ。

そんな生活を1ヶ月過ごしても一向に良くならず、やっとで病院に行くことにした。

 

検査をするためにそこから入院。

CT、MRI、心電図、血液検査、尿検査、髄液が漏れている可能性があると担当の先生に言われ、その検査もした。

 

が、異常なし。

先生もほぼお手上げ状態。

 

入院生活で排便をする為に浣腸をするんだけど、その時が恐怖だった。

浣腸液を入れて排便を促すと横になっていてもあの激しい頭痛が現れる。

排便が終わると頭痛が収まるが、一度うまく便が出ず耐えられずにナースに摘便をしてもらった。

 

しかし、それでも頭痛と大量の汗が止まらず、一時間以上は悶え苦しんだ。

血圧を測ると、いつも上が7、80なのが170を超えていた。

 

お腹のあたりが痙攣している。

 

やっとそこで思い出して尿が出ているか確認してもらうと、やはり出ておらず、留置式カテーテルを新しいものに変えてみることに。

するとどんどん大量の尿が出てくる。

おそらく古い方のカテーテルが詰まっていたんだと思う。

そこでやっと、やっとの事で頭痛が収まり始めた。

 

マジで死ぬかと思った。

1時間以上悶え苦しんだ。

シーツが汗でびしょびしょに濡れていた。

 

 

1ヶ月半くらいの入院生活でネットでいろいろ調べていくうちに自律神経過反射というものを見つけた。

「これだ。」

そう思って先生に言ってみたが、詳しく知らないようだった。

 

そうしているうちに症状は落ち着いていき、頭を上げても多少頭痛は起きるけど耐えられる程度になった。

原因ははっきりしなかったけど退院することになった。

 

家に帰ってから1ヶ月ぐらいで正常に戻った。

 

原因

入院生活と退院してからもよく考えたけど、やっぱり原因は頭痛が起きる前日の激しいストレッチだと思う。

そのせいで腰を痛めたか筋肉を痛めたか、どちらかではないかと今では思っています。

 

実際、入院生活の中で理学療法士の先生に足のストレッチをしてもらった時に頭を上げていないにも関わらず、頭痛が発生しました。

その時から内臓に問題があるわけではなくて、もしかしたら筋肉系やヘルニアのような類のものなんじゃないかと思っています。

そして入院している時に横になっていても起きたのは、ただ、それプラス膀胱の充満が原因だったのではないかと。

 

思い返すと、事故で頸髄損傷になる前に僕は腰痛を抱えていました。

坐骨神経痛というものだけど、それがもしかしたら原因なのかもしれません。

健常者の頃も激しい運動をした後に腰が痛くて次の日の朝起き上がれない時がありました。

でも、今は麻痺しているのにそんな事が起きるのだろうか?

 

よくわからないけどとにかく対策としてそれからは激しいストレッチはしないようにしています。

 

トラウマ、いつやってくるかわからない恐怖

 

3度目。

 

いつものように便器で排便をしている時のこと。

その日はなかなか便が出ず、1時間くらい経っても便が出てこなかった。

 

どうにもならず、母に摘便をお願いすることに。

その時、頭痛が起き始めた。

 

「あ、やばい。」

と思って摘便をやめてもらった。

 

それでも5分くらいしても収まらず、とにかく便を出す為に浣腸液を入れてみる。

便はしばらくすると出てきたが頭痛は収まらなかった。

 

その時やっと気づいて膀胱内の尿を出してみることに。

やはり尿が結構溜まっていて、そのあと頭痛も収まってきた。

 

早く膀胱を確認すればよかったのに、便が詰まって発生したと思い込んで対応が遅れてしまった。

 

原因

今回は単純に膀胱に尿が充満した為に起きたと思う。

留置式カテーテルを入れていたけどバッグにつないでいなくて蓋をしていたので、尿が出たくても出れない状態でした。

 

便が出ずにあたふたしているうちに膀胱に尿が溜まっているのに気づいていなかったんです。

ある程度自律神経過反射の知識はあったはずなのに、今回は対応を誤ってしまって苦しみました。

 

もうトラウマ。

もう2度とこんな苦しみ味わいたくない。

でも、忘れた時にやってくるんだろうな、、、

 

最後に

僕の場合、自律神経過反射の症状が一度起きると原因を取り除いても何日か何かをきっかけに頭痛が起きます。

長く続くわけではないけど、敏感になっているのか、痙性が起きただけでも頭が痛くなる事があります。

もう正直これはトラウマになる苦しみです。

 

とにかく今読んでいる皆さんには気をつけてもらいたい。

頸髄損傷と脊髄損傷のT6レベル以上の人に起こる可能性があります。

もし今までにこの症状が起きていなかったとしても、これから先いつ起こるかわからないので十分注意していただきたい。

 

しっかりとこの自律神経過反射について知識を持っておくべきです。

担当の医師、あなたが運ばれた病院ではうまく対応し切れない場合があります。

 

 




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