身体や精神に障害があったり、病気で仕事や生活に困難がある方にとって、障害年金は家計を支えてくれる重要なものです。
今回は障害年金の申請方法について、必要な書類や申請できる条件も含めてまとめました。
障害年金の申請を検討されている方は、是非目を通してみてください。
障害年金の申請方法とは?
障害年金の申請場所はどこ?
障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金があり、どちらを申請するかによって申請場所が異なります。
障害基礎年金 → 住所地の市区町村役場の窓口
障害厚生年金 → 年金事務所または年金相談センター
障害基礎年金と障害厚生年金の違いについてはこちらの記事ご覧ください。▼
申請から受給までの大まかな流れ
1、年金事務所や市役所(区役所)または町村役場に相談します。
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2、年金請求書と必要書類を揃えて年金事務所や市(区役所)役所または町村役場に提出。
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3、日本年金機構から「年金証書」、「年金決定通知書」が自宅に届きます。(年金請求書を提出してから通知が届くまで、3ヶ月ほどの期間を要します。)
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4、年金証書が自宅に届いてから約1〜2ヶ月後に、指定された口座へ、初回分(受取り開始年月から直前の受取り月の前月分まで)の年金が振り込まれます。
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5、その後、偶数月に定期的に、指定された口座へ2ヶ月分の年金が振り込まれます。
申請から受給までの期間は、半年を見ておく必要があります。
また、手続きに関しては煩雑な為、社労士(社会保険労務士)に代行してもらうことも可能です。
うつ病など精神障害がある場合の申請について
うつ病など精神障害がある方でも受給要件を満たし、かつ障害等級に該当すれば、障害年金を受給することができます。
ただし、うつ病や精神障害での障害年金申請の難しい点として次のことが挙げられます。
・本人の気力がなければ手続きができない
・働いている場合、障害が軽いとみなされる場合がある
・障害等級の数値的な判断ができない
精神疾患における障害等級の認定基準について詳しくはこちらの記事をご覧ください。▼
申請を社労士に代行してもらうには?
障害年金は自分で申請することも出来ますが、複雑なケースの場合、社労士(社会保険労務士)に代行してもらうことも可能です。
その場合はもちろん社労士への報酬として、ある程度の費用がかかることを覚悟しなくてはいけません。
申請するのが自分では不安であったり、複雑なケースの場合はお近くの社労士事務所に相談してみましょう。
料金は着手金として2〜3万円(着手金0円を謳っているところもあり)、受給が決定した場合は10万円〜数十万円になるケースもあるそうです。
障害年金の申請時に必要な書類
主に必要な申請書類
- 年金請求書
- 年金手帳
- 戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか
- 医師の診断書
- 受診状況等証明書
- 病歴・就労状況等申立書
- 受取先金融機関の通帳等
- 印鑑
1、年金請求書
障害基礎年金を受給するための年金請求書は、市区町村役場、または年金事務所、年金相談センターの窓口で入手できます。
障害厚生年金を受給するための年金請求書は、年金事務所または年金相談センターの窓口で入手できます。
2、年金手帳
年金手帳は加入期間を確認するために必要になります。
3、戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか
この書類は請求者の生年月日を確認するためのものです。
単身者の方で、日本年金機構にマイナンバーが登録されている方は、原則不要となります。
マイナンバーが登録されていない方も、年金請求書にマイナンバーを記入することで、原則不要です。
ただし、年金請求書を共済組合等に提出する場合に、別途、住民票等の添付書類が必要になる場合があります。
4、医師の診断書
診断書は障害認定日より3カ月以内の現症のものが必要です。
障害認定日と年金請求日が1年以上離れている場合は、直近の診断書(年金請求日前3カ月以内の現症のもの)も併せて必要になります。
また、診断書と併せて、レントゲンフィルムや心電図のコピーの提出が必要な場合もあります。
5、受診状況等証明書
初診時の医療機関と、診断書を作成した医療機関が異なる場合、初診日の確認のために必要になります。
6、病歴・就労状況等申立書
障害状態を確認するための補足資料として必要になります。
7、受取先金融機関の通帳等
受給が決定した場合、この口座に年金が振り込まれます。
カナ氏名、金融機関名、支店番号、口座番号が記載された部分を含む預金通帳またはキャッシュカード等。(コピー可)
請求書に金融機関の証明を受けた場合は添付不要です。
8、印鑑
申請する方により必要になる書類
配偶者または18歳到達年度末までのお子様がいる方(20歳未満で障害の状態にあるお子様を含む)
- 戸籍謄本(記載事項証明書)
- 世帯全員の住民票の写し
- 子の収入が確認できる書類
- 医師または歯科医師の診断書(20歳未満で障害の状態にあるお子様がいる方)
- 配偶者の収入が確認できる書類 ※障害厚生年金を請求する場合
2、3、5はマイナンバーをご記入いただくことで、添付を省略できます。
障害の原因が第三者行為の場合に必要な書類
- 第三者行為事故状況届
- 交通事故証明または事故が確認できる書類
- 確認書
- 被害者に被扶養者がいる場合、扶養していたことがわかる書類
- 損害賠償金の算定書
その他、本人の状況によって必要な書類
- 請求者本人の所得証明書(マイナンバーをご記入いただくことで、添付を省略できます。)
- 年金加入期間確認通知書
- 年金証書
- 身体障害者手帳・療育手帳合算対象期間が確認できる書類
国民年金に任意加入しなかった期間のある方
- 配偶者が国民年金以外の公的年金制度の被保険者または組合員であった期間のある人は、配偶者が組合員または被保険者であったことを証する書類
- 配偶者が国民年金以外の公的年金制度または恩給法等による老齢(退職)年金を受けることができた期間のある人は、配偶者が年金を受けることができたことを証する書類
- 本人が国民年金以外の公的年金制度または恩給法等による遺族年金等をうけることができた期間のある人は、本人が当該年金等を受けることができたことを証する書類
- その他、海外在住の期間等があったときは、このことを証する書類
申請書(年金請求書)の入手方法
障害基礎年金を申請するために必要な申請書(年金請求書)は市区町村役場、または年金事務所、年金相談センターの窓口で入手することが出来ます。
また、障害厚生年金を申請するために必要な申請書(年金請求書)は年金事務所、年金相談センターの窓口で入手することが出来ます。
書類の書き方は?
申請時に必要な年金請求書の書き方はこちらをご覧ください。
年金請求時に必要な書類等は、請求する方により異なります。
詳細については、相談窓口でおたずねください。
障害年金を申請し、受給できる条件とは?
障害基礎年金を受給できる条件とは?
障害基礎年金は受給条件の1〜3の全てに該当する方が受給できます。
受給条件
1、障害の原因となった病気やケガの初診日が次のいずれかの間にあること。
・国民年金加入期間
・20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間(老齢基礎年金を繰り上げて受給している方を除きます。)
2、障害の状態が、障害認定日または20歳に達した時に障害等級の1級または2級に該当していること。
3、保険料の納付要件を満たしていること。20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。
障害厚生年金を受給できる条件とは?
障害厚生年金は受給条件の1〜3の全てに該当する方が受給できます。
受給条件
1、厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やケガの初診日があること。
2、障害の状態が、障害認定日に、障害等級の1級から3級のいずれかに該当していること。
3、保険料の納付要件を満たしていること。
障害手当金(一時金)を受給できる条件とは?
障害手当金は受給条件の1〜3の全てに該当する方が受給できます。
受給条件
1、厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やケガの初診日があること。
2、障害の状態が、次の条件全てに該当していること。
・初診日から5年以内に治っていること。(症状が固定)
・治った日に障害厚生年金を受け取ることができる状態よりも軽いこと。
・障害等級に該当する障害の状態であること。
3、保険料の納付要件を満たしていること
初診日とは?
初診日とは障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診療を受けた日です。
障害年金の申請では、医師の診断書もしくは受診状況等証明書で初診日の証明を行います。
初診日が不明な場合は障害年金の支給が難しくなるため、初診日の証明はとても重要です。
障害認定日とは?
障害の状態を定める日のことで、その障害の原因となった病気やケガについての初診日から1年6ヶ月を過ぎた日、または1年6ヶ月以内にその病気やケガが治った場合(症状が固定した場合)はその日をいいます。
保険料の納付要件とは?
初診日がある月の2ヶ月前までの期間で、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上あること。(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)
保険料納付要件の特例
年金未納期間が多い場合でも、次の全ての条件に該当する場合は納付要件を満たします。
・初診日の前日において、初診日がある2ヶ月前までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと
・初診日において65歳未満であること
・平成38年4月1日前に初診日があること
年齢制限はあるの?
障害基礎年金は、本人が20歳になった時から受給できます。
障害厚生年金の場合は、10代のときに障害を負ったケースなどは、20歳より前に障害年金が支給されることもあります。
受給が決まった後は、障害状態が続いていると認められる限り支給されるので、年齢によって支給が停止されることはありません。
また、60歳以上で老齢年金を繰り上げ請求した時、または65歳以上は、障害年金か老齢年金どちらか有利な方を受給することができます。
20歳前に初診日がある方の所得制限
障害基礎年金は、20歳前に初診日がある方は本人が保険料を納付していないことから、所得制限が設けられています。
20歳以降の傷病による障害年金を受給している方は、収入などの制限は設けられていません。
所得額360万4千円を超える場合 → 半額支給停止
所得額462万1千円を超える場合 → 全額支給停止
また、その他にも日本国内に住所を有していないとき、刑務所や少年院に服役中も障害基礎年金は支給停止されます。
障害厚生年金は、20歳前や後に関わらず所得制限は設けられていません。
障害年金の所得制限について詳しくはこちらの記事をご覧ください。▼
まとめ
障害年金を受給できるかどうかで、生活の質が大きく変わります。
必要な書類は一見多いように感じますが、一つ一つクリアしていけば、多くの場合自分でも申請できます。
不明な部分があれば、役所や年金事務所の窓口で相談することも出来ますので、受給できるようなら迷わず申請しましょう。