障害年金の更新とは?審査は厳しい?手続き時のポイントまとめ




 

障害年金を受給している方の多くは、数年ごとに障害状態確認届(診断書)を日本年金機構に提出する必要があり、一般的に更新と呼ばれています。

 

今回はその障害年金の更新について、その時期や手続きの流れ、結果通知に至るまでの押さえておきたいポイントをまとめていきたいと思います。

現在、障害年金を受給している方は、是非目を通してみてください。

 

 

障害年金の更新とは?

 

障害年金を受給されている方は定期的に診断書(障害状態確認届)を日本年金機構に提出する必要があります。

一般的に更新と呼ばれますが、その時期は人それぞれで、初めて更新される方は年金証書の「次回診断書提出年月日」に更新時期が記載されています。

次回の更新時期については初回の更新後に届く、「次回の診断書の提出について」というはがきに記載されておりますので大切に保管しておいてください。

 

一般的に精神障害は1~2年、肢体障害はそれよりも長めの期間になることが多いようです。

 

また、障害年金の認定には永久認定有期認定があり、「次回診断書提出年月日」に記載がない方は永久認定の方で、更新の必要がなく診断書不要となります。

 

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障害年金の更新時期はいつ?通知は届くの?

 

更新時期はいつ?

 

初めて更新する方

障害年金を申請した際に届いた年金証書に「次回診断書提出年月日」という項目があります。

これが初回の更新時期です。「**年**月」と記載のある方は、更新の手続きが必要ありません。(永久認定)

 

2回目以降の更新の方

前回更新した後に届く、「次回の診断書の提出について」というはがきに記載されています。

もし、届いたはがきを無くしてしまって更新時期がわからないという場合は、ねんきんダイヤルか、お近くの年金事務所へ問い合わせてみましょう。

 

 

更新の通知はいつ届くの?

 

更新で提出する診断書である障害状態確認届は、誕生月の3か月前の月末に自宅に郵送されますので、主治医に作成依頼をしましょう。

 

以前はこの更新を通知する「障害状態確認届」は、誕生月前の月末に届いていました。

しかしそれでは、仕事が忙しかったり、病院の診察の予約が取れなかったりする為、手元に届くのが遅いという批判があったようです。

それが、令和元年8月から誕生月の3ヶ月前に送付されるように変更されました。

 

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更新手続きの流れとポイント

 

障害年金の更新手続きの流れ

 

手続きの流れ

更新月(誕生月)の3ヶ月前の末ごろになると、障害状態確認届(診断書)という書類が日本年金機構から送られてきます。

更新の手続きはその診断書を医師に書いてもらい、更新月(誕生月)までの期間の間に、日本年金機構に郵送します。

 

例えば4月が誕生月の方は、2月1日から4月30日までの現症日で作成していただき、4月末までに日本年金機構に郵送というイメージです。

 

必要書類は?

障害年金の更新に必要な書類は診断書(障害状態確認届)のみです。

障害年金の申請時のように多くの書類は必要ありません。

 

 

診断書について

 

医師に書いてもらう診断書は、障害状態確認届の中で「診断書」という記載欄が設けられているかたちですので、個人で診断書の様式を入手する必要はありません。

診断書の依頼に関する料金は、病院により異なりますので、病院側へお問い合わせください。

 

また、前回診断書を書いてもらった病院から転院したという方もおられると思います。

更新用の診断書の作成を依頼するのは、病院が変わる前の医師でも、現在の主治医でもどちらでもかまいません。

 

診断書(障害状態確認届)の提出先は、同封の返信用封筒で日本年金機構あてに郵送、もしくは近くの年金事務所または街角の年金相談センターに提出してください。

また、障害基礎年金のみを受けている方は、お住まいの市区町村役場の窓口でも提出できます。

 

 

更新手続きが間に合わない場合

 

障害状態確認届の作成・提出が指定日に間に合わないことも考えられます。

提出期限に間に合わない場合には障害年金の支給が一旦停止しますが、遅れても診断書を日本年金機構に提出し審査が通れば、届いてから2ヶ月ほどで止まった期間分の年金をさかのぼって受給できますので、諦めずにしっかりと提出するようにしましょう。

 

 

社労士に代理してもらうこともできる

 

自分で更新するのが難しいと思ったり、上手くいかない場合には社会保険労務士に手続きの代理を依頼することも可能です。

費用は着手金と報酬があり、それぞれの社労士事務所により異なりますので、そちらへご相談ください。

 

 

障害年金を更新する際のポイント

 

1、診断書(障害状態確認届)が届いたらすぐに医師に作成を依頼する

障害状態確認届が届いたらすぐに病院で診察の予約を取り、医師に診断書の作成を依頼するようにしましょう。

医師が診断書を作成するための期間もありますし、また、作成してもらった診断書を確認した時に、不備が見つかって書き直してもらうことなども想定して、期限に余裕を持って依頼するべきです。

 

2、仕事上の制限や援助について詳細に書いてもらう

特に、精神障害で障害年金を受給している方は、仕事上での制限や援助が大いに審査に影響しますので、出来るだけ詳細に書いてもらうように、医師にお願いしましょう。

 

3、診断書を書いてもらったら内容を必ず確認する

更新時は「病歴・就労状況等申立書」など他の書類を提出する必要がないので、あなたの症状は診断書でしか伝えられません。

必要な個所に空欄がないか、自分の症状の重さや、日常生活での不自由が十分に伝わるように記載されているかどうか確認しましょう。

もっと詳しく書いて欲しい、記載内容に間違いや疑問がある場合は、医師に修正を依頼しましょう。

 

4、前回提出診断書と見比べてから提出する

診断書を医師に依頼する時は、前回更新時の診断書のコピーを持っていくと参考になり、スムーズに運びます。

症状が同じ場合にもかかわらず、診断書の内容が異なっている場合、医師に確認し、正しくなければ訂正してもらってください。

また、以前と症状が変わった、働き始めた、病院が変わった、主治医が変わった等の場合にも十分注意するべきです。

そして、提出する診断書は次回の更新時の参考になるため、必ずコピーを取っておくようにしましょう。

 

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更新審査の結果通知がこない!?いつわかるの?

 

審査の結果はいつわかるの?

 

審査結果の通知が遅いと不安になるかと思います。

審査期間は約3ヶ月程度で、その後に文書またはハガキで通知されます。

支給継続・等級変更なしの場合は「次回の診断書提出についてのお知らせ」というハガキが届き、また、審査結果により支給停止や等級が変更になった場合は、「年金決定通知書・支給額変更通知書」という書類で通知されます。

 

受給中の障害年金は、提出月から3か月後の分までは保障されており、その後の障害年金は、審査結果に応じて変更、または継続されます。

提出月から3か月経っても書類やはがきが来ない場合は日本年金機構に問い合わせてみましょう。

 

 

障害年金の更新審査で不支給となった場合

 

不支給となる原因とは?

障害基礎年金2級の受給権者は、障害の状態が3級相当以下になると3級がありませんので、支給停止で不支給となります。

障害厚生年金は、障害の状態が3級に満たなくなった場合(3級より軽くなった場合)に支給停止で不支給となります。

 

不支給となるのはいつから?

審査の結果、障害の程度が軽くなっていると判断され不支給となる場合は、「支給停止のお知らせ」が届きます。

この場合、支給停止の結果が届いた月の翌月分(障害状態確認届の提出期限の月の翌月から4か月目の支給分)から障害年金が不支給となります。

審査結果が届くまでに支給が停止されることはありません。

 

不支給に納得がいかない場合

障害年金が不支給となった場合に障害の状態が変わらず、障害状態確認届(診断書)の記載内容を見ても支給停止されることに納得できないようであれば、不服申立て(審査請求)をすることができます。

また、更新時は軽い等級に該当したけれど、再び症状が悪化してしまった場合などには、「支給停止事由消滅届」と改めて診断書を提出することによって、支給の再開を求めることもできます。

 

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障害年金の更新審査は厳しい!?

 

障害年金の更新審査は厳しい

 

今まで受給しているから、ということで軽視しがちですが、障害年金の審査は決して甘くありません。

前回更新時と実際の障害の状態はほとんど変わりなく、診断書の内容にも大きな違いがないにもかかわらず、支給停止や減額改定(等級が下がる)で困惑する場合も少なくありません。

また、精神障害による障害年金の新規申請件数が年々増加していることも、新規請求時のみならず、更新時の審査が厳しい状況になっている理由の一つです。

 

 

精神障害による障害年金の更新では特に注意

 

うつ病や発達障害のような精神障害の方に多いのが、障害年金を受給した時は無職だが更新(障害状態確認届の提出)の時は働いているという場合です。

以前は全く働けなくて現在は働けている事実があれば、障害の程度が軽くなったと認定されて不支給や級落ちすることがあります。

障害者雇用枠なのか、どのような配慮を受けて働いているのかを診断書(障害状態確認届)に詳しく記載してもらい、慎重に手続きを行うべきでしょう。

 

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令和元年8月からの更新手続き変更について

 

障害状態確認届(診断書)の作成期間が延長

 

以前は誕生月の前月末頃に障害状態確認届(診断書)が届き、誕生月の末日までの現症日で提出しなければなりませんでした。

そうすると約1ヶ月で医師に診断書の作成を依頼して受取り、日本年金機構に郵送するというかなり厳しいスケジュールになり、提出期限に間に合わないという方も多かったようです。

 

それが、令和元年8月からは「誕生月の3か月前の月末」に障害状態確認届(診断書)が郵送されて手元に届き、誕生月の末日までの期限で提出できるようになりました。

期間が約3か月ありますので、余裕を持って医師に診断書を依頼し、提出することができます。

 

 

20歳前傷病の方の更新手続きも変更

 

20歳前の傷病により障害基礎年金を受給している方は、これまで一律で「7月末まで」に障害状態確認届(診断書)を提出することになっていました。

それが令和元年8月からは、20歳前傷病以外の障害年金を受給している方と同様に、「誕生月の3か月前の月末」に障害状態確認届(診断書)が届き、誕生月の末日までの期限で提出できるようになりました。

 

また、これまで提出していた「所得状況届」は日本年金機構が市区町村から所得情報の提供を受けることとなり、今後は原則として提出する必要がなくなりました。

 

 

まとめ

 

障害年金は体が不自由で生活や就労が困難な方にとって、生活を支えてくれる大事なお金です。

更新時に不手際があって支給停止などにならないように、手続き方法をしっかりと理解し、余裕を持って更新を行いたいですね。

 

 




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