車椅子で一人で操作しながら行ける場所には限界がある。
砂浜、無理。
雪道、けっこう無理。
登山、絶対無理。
なので車椅子に乗っていると計画的に行動しなければならない。たまに破天荒な人もいるけど。
私も雨の日はできるだけ外出は控えるようにしているし、外出先でも駐車場がどこにあるかとか、車椅子用のトイレがあるかどうかを事前に調べてから外出するようにしている。
はっきりいって面倒だ。
特に飲食店はよく調べてから行くことにしている。
最近の流行りの店ってテーブルが高い店が多くて車椅子を利用している人は無理。
あと、大手の居酒屋はほぼボックス席か靴を脱いで入る個室の席なので車椅子で入るのはほぼ無理。
個人でやってる小さい店とかも椅子と椅子の間が狭くて車椅子が通れる幅がなかったりする。
行きたいお店に行けない、人気のあるお店に行けない、制限されているのが現実です。
そこで今回は、私が飲食店を選ぶ際に事前に調べる5つのポイントについて書きたいと思います。
1、駐車場と店までのアクセス
車で来るか電車で来るかにもよりますが、車なら駐車場から店までのアクセス方法、電車なら駅から店までのアクセス方法を事前に調べます。
- それまでに段差はないか
- その段差はどのくらいか
- 距離はどのくらいで何分くらいで到着しそうか
- 道はデコボコしていないか
- どのルートで行けば安全にたどり着けるか
など
2、入口や店内の特徴
そのお店のコンセプトによって店の作りに特徴があるので、車椅子で利用可能か、十分くつろげる環境か調べます。
- 入口に段差はないか
- その段差は何段か
- 入口は車椅子が十分に通れる幅があるか
- 店内に段差がないか
- 車椅子で移動できるスペースがあるか
入口は設計上、多くの店で段差があります。一人で行く場合は段差がある店は極力避けますが、二人以上の場合は解除してもらうことができるのでその段差が何段あるか、どのくらいの高さなのかを調べます。
また、店内も混んでいる場合は椅子と椅子の間が狭くて車椅子が通れるスペースがなかったりするので事前に電話などで確認しておきます。
3、席の特徴
席の特徴によって車椅子だとくつろげない場合があります。大手の居酒屋でよく見るボックス席は車椅子のままでは無理なので席に乗り移らなければなりません。障害レベルにもよりますがほとんどの車椅子利用者は好みません。
- テーブルの高さはどれくらいか
- テーブルの足はどのような作りか
- 椅子は移動することができるか
- ボックス席、もしくは座敷ではないか
- 荷物入れなどの車椅子がテーブルに入った時に膝に当たって近づけないようなものがないか
ソファがあるようなテーブルの高さが低い席はくつろげません。なぜかというとほとんどの車椅子利用者は車椅子から移動してソファや椅子などに座るよりもそのまま車椅子の方が楽だからです。そうなると車椅子の高さにあったテーブルでなければ不便です。
また、そのテーブルの足の部分が邪魔になってテーブルに近づけない場合があるのでそれもまた不便です。
4、車椅子用のトイレはあるか
アルコールを飲むような店だとその店に長くいる可能性があるのでトイレが問題になります。
店内に車椅子用のトイレがあれば一番いいのですが、ほとんどの店には設置されていません。なのでまず、普通のトイレが車椅子でも入れるような大きさなのか電話で確認します。
また、トイレも狭くて車椅子で入れないようなら店の外で近くに車椅子用のトイレがないか探します。ショッピングビルなどには設置されている場合が多いです。
それでも店外で車椅子用のトイレが遠い場合、その店を早めに出てしまうか、もしくはそもそもその店には行きません。
ただし排泄方法は車椅子の人でも様々、人によって違いがあります。
5、その店のスタッフは協力的か
段差が高かったり何段もある時、付き添いの介助者が少ない場合はその店のスタッフに手を借りる必要があります。
事前に電話で確認した時に段差がある場合は、その店のスタッフに手を借りることはできるか確認します。
ほとんどのお店は対応してくれますが、中には忙しくて対応が遅れる場合もありますのでそこは一度確認しておく必要があります。
そこで快く引き受けてくれたり対応がいいとまた行きたくなりますね。
まとめ
健常者なら普段何も気にしていない飲食店の利用も、車椅子で利用するとなると色々なハードルが出てきます。
できれば何も気にせず利用したいものですが今の現状不可能です。
バリアフリーになっていないところは人間の力で手を借りて乗り越えるしかありませんが、お店の経営上人数をかけられない場合も多いかもしれません。
しかし、お店が忙しい場合でも車椅子の人であったり障害がある人に対して「合理的な配慮」をしなければ事業者は”障害者差別解消法”の違反になるので注意が必要です。
お店のスタッフが”義務感”で対応するよりも、スタッフお客さん関係なく自然に困っている人がいたら手を貸すようになれば一番いいと私は思います。